現代の子供を取り巻く花粉症の現状とは

子供の花粉症

 

低年齢化する花粉症患者 〜子どもの花粉症は近年増加〜

 

子どもの花粉症の発症は、最近増加がみられます。
スギ花粉症の感作率(花粉に対して抗体を持っている割合)を昨年6 月に山梨県の農村部の小学校で調査したところ約60%の児童が感作を受け、このうち40%以上が発症していました。また、千葉県農村部の同一小・中学校で調査したところ、2000 年では約40%だった感作率が2005 年で約60%に増加していました。抗体を持っている方が全て発症する訳ではありませんが、小児での花粉症は確実に増加していると言えるでしょう。

 

 

花粉症の低年齢化の一因は、生活環境の変化

 

子どもの花粉症発症の低年齢化を招いた主な要因としては、スギ花粉の増加に加えて、食生活の変化、大気汚染、ストレスなどの現代人を取り巻く生活環境の変化が影響しているのではないかと考えられています。免疫力が発達途上の子どもの場合、粘膜に外的影響をより受けやすい傾向が認められます。さらに昔の子どもに比べ過剰に衛生面に気を使うになったことも免疫力の変化を招いているのではないかと考えられています。

 

 

0歳児でも花粉症に!

 

これまでの花粉症は大人の病気として、治療の研究が進められてきたため、子ども(特に乳幼児)の場合は、臨床データは決して多くはありませんでした。
しかし、最近では1歳以下でもスギ花粉に対する抗体が検出されるという報告もありますので、0歳児での発症も不思議ではありませんが、診断法も含めて詳しい調査が必要でしょう。